カーグッズマガジン編集長の「あれコレ気になるカーグッズ」お盆休みの大渋滞......車中で心を慰めるアイテムとは?

2019/08/02

クルマ生活応援マガジン、Car GoodsMagazine(カーグッズマガジン)の倉嶋編集長のコラム。カー用品からアウトドアグッズまで、クルマ生活に関連するあれやこれや気になるカーグッズをピックアップ。今回は、お盆休みに出かけるドライバーのみなさんにおそらく、平等に訪れる……大渋滞にハマったときにドライバーの心を和ますアイテムを紹介していただきました。


ファミリーカーオーナーにとって、夏場のカーライフにおける目下の悩みといえば、行楽地に待ち受ける渋滞でしょう。お盆休みを利用して遠くまで足を運ぼうにも、遠出するほどにあちらこちらに直面するのがボトルネック。絶対的な交通量が増える分、要所となるジャンクションなどではどうしたって混雑は避けられません。
最近では道路公団による渋滞予測情報も手軽に入手でき、ある程度は回避できる術も事前に得られつつあります。また本州の東西を横断する要所でも、新東名や新名神高速道路などの延伸により、慢性的なキャパオーバーも緩和されつつあると言えるでしょう。
それでも、年末と並びピークとなる夏場のド渋滞は、決してゼロにはなりません。それは時間帯をずらしても同じこと。避けては通れない交通要所ほどに、早朝から深夜までほぼ穴なく埋まりっぱなしであることが今年も予想されています。
強いて狙うとするなら丑三つ時でしょうか。リアルタイム渋滞情報を都度入手し、パーキングでの時間調整まで駆使すれば、間隙を縫う形で渋滞を避け、滞りなく走破できるかもしれません。それでも、家族をも乗せるファミリーカーではそれも出来ぬ相談。家族には家族の予定があり、事情もあります。
そう、全てを飲み込んで、今年もお父さんは決死の覚悟で渋滞に突入するのでしょう。いつしか家族の会話も途絶え、ひとりふたりと眠りにつき、ついには孤独な戦いを強いられる。余人には理解しがたい、厳しい持久戦です。
モニター付きのクルマが大半のなか、DVDや地デジ映像などが専ら慰めになる……そうお考えの方も多いでしょうし、実際渋滞中によく見掛ける光景でもあります。ただ渋滞中とはいえ、画面の注視は決して勧められません。とりわけ視覚は集中力を大きく削ぐ傾向にあり、スピード感を大きく狂わせる要因にもなります。渋滞中とはいえ、スピードのアップダウンは付き物。ずっと集中し続けるのもシンドイものですが、完全に弛緩することは避けなければなりません。自らのことはもちろん、後方からの追突リスクも頭の片隅に置いておくべきだからです。
とそんな時、だからこそ頼りになるのが、古今東西変わらぬドライブの友、カーオーディオでしょう。それでも、家族連れの旅路では音量も絞らざるを得ません。眠気を飛ばす意味でも大音量でノリノリにしたいとこではありますが、それは同時に家族の安眠をも妨げます。

では、どうすべきか……。
みなさんはオーディオブックをご存知でしょうか? そうミュージックではなく朗読です。最近では、ストリーミングサービスとともに、MP3などで手軽にダウンロードすることもでき、スマホやSDカードに入れおけば、いかようにも車内再生の術があります。これなら、音量を絞りつつも孤独なお父さんのお相手となってくれるでしょう。視覚の妨げもなく、「ながら」にも適したエンタメ・コンテンツです。多いのはビジネス書などのソフトながら、折角の休日だけに物語に浸るのもいいでしょう。

個人的なオススメは、藤沢周平の朗読集。それこそ映画化もされている傑作短編も数多く、1時間ほどの渋滞苦難もなんのその。繰り返して聞いても楽しめる、味わい深さがまた魅力です。数十kmにも及ぶような大渋滞なら、長編ももちろんオススメ。それこそ「蝉時雨」などは歴史巨編。季語でもあるタイトル名は、それこそ渋滞中でも車窓ごしのリアルミュージックとなって物語気分を高めてくれます。
なにより、全てを聞き終えるには15時間超も掛かります。これなら、行きと帰りそれぞれの渋滞にハマっても十分持ちこたえられるばかりか、お釣りまで出ること、請け合いです。

文・倉嶋源

カーチューニング誌での丁稚奉公、新車雑誌での下働きを経て、2007年よりカー用品専門月刊誌・カーグッズマガジンの編集長を襲名。雑誌業界歴20年超の大半を通じ、オートアフターマーケット業界に身を捧ぐ。