レーシングドライバー新田守男さんに聞く!
「カー用品の選び方指南」
レースの世界でもタイヤ選びは重要です

2019/08/09

黒くて丸い物体、タイヤ。どれも同じように見えるけど、何が違うの?どうやって選んだらいい? そこでレーシングドライバー新田守男さんに「タイヤの選び方」を教わるシリーズ、第2回は、「タイヤの重要性」について。そして番外編として、現在新田さんが参戦しているSUPER GT選手権の模様をお伺いしました。シリーズ折り返し。ますますホットな展開になっているこちらも見逃せません。


タイヤは、ハガキ4枚の面積で車体と人を支えている

――私たち一般ドライバーは、たいていの場合、タイヤのことを気にするのはタイヤ交換の時期くらいです。レースの世界では、タイヤはどんな位置付けでしょうか?――

レースの世界でもタイヤ選びは重要です。タイヤの性能を使いこなすことはレースの勝敗をも左右します。どんなに高性能なレーシングカー、腕のいいドライバーも、タイヤの性能以上のパフォーマンスを発揮することはできないんですよね。でもそれはレースだけでなく、タイヤがとても重要なのは一般道も同じです。

クルマが路面と接するのは唯一、タイヤだけです。タイヤがエンジンの駆動力やブレーキの制動力を路面に伝えるから「走る・止まる」ことができるし、ハンドルの動きに応じてタイヤが向きを変えることで、行きたい方へ「曲がる」こともできます。車体を支えるのも、もちろんタイヤです。では、タイヤと路面が接する面積はどのくらいか? というと、タイヤ1本につき、およそハガキ1枚分。つまりタイヤ4本で、ハガキ4枚分しかないということなんです。

たったハガキ4枚分の面積で、1トン、2トンもある車体と乗員を支えながら、高速道路では時速100km、僕が参戦するレースなら最高時速300kmものスピードで走行しています。こうやって改めてタイヤの役割を考えると、車を走らせるうえでどれだけ重要なアイテムなのか理解できるのではないでしょうか。常日頃からもっともっとタイヤに注目して、運転を楽しんでもらいたいなと思います。

親子みたいな年の差コンビで「SUPER GT」に参戦中!

――レースといえば、新田さんが参戦中の「SUPER GT」もシリーズ折り返し。激戦のレース展開の中、すでに2勝を手にしていますが(2019年7月25日時点)、今シーズンは新しい相棒を迎えての参戦はいかがですか?――

今年は新パートナーの阪口晴南(さかぐち せな)選手とコンビを組んで参戦しています。晴南との年の差はなんと32歳!で、親子ほど年齢が離れています。晴南は速さがあるだけでなく、礼儀正しく素直な性格なので、何でも吸収しようという意欲があるドライバーです。それにガッツもある。実は彼は耐久レースが初めてで、ドライバー交替の際に1度ドアを閉め忘れたことがあるんですね。彼にとってそのことが相当堪えたようで、それ以降、ドライバー交替の練習さえも手を抜かない。十分に練習したからもう大丈夫だよと言っても、申し訳なさそうに僕に歩み寄ってきて「すみません、新田さん、もう一度、練習させてください!」と、お願いしてくる。納得いくまでとことんやる晴南のひたむきさは、きっと、この先、レース強さにつながっていくんじゃないかな。

それにしても僕の長いレース人生の中でも、これほどドライバー交替の練習をしたことはないんじゃないかな。僕もさらに早くなったかもしれない(笑) 

レースでもタイヤ選びがレース展開にどう影響するかを着目して観戦してみると、また新しい面白さがあると思います。それにSUPER GTはレーシングカーの迫力ある走りはもちろん、お子さんから大人まで楽しめるイベントも盛りだくさんに用意されているので一日中楽しめます。僕や阪口選手に会いに、ぜひ、サーキットへ遊びにきてくださいね!

新田 守男(にった もりお)/レーシングドライバー

1986年に富士フレッシュマンでレースデビュー。それ以降、‘90年全日本ツーリングカー選手権でチャンピオン、’94年より全日本GT選手権(現SUPER GT)で活躍を続け、’96、’99、’02年全日本GT選手権でクラスチャンピオンを獲得。2019年はK-tunes RC F GT3で参戦中。今期は開幕戦岡山、第3戦鈴鹿で優勝し、GT300通算最多優勝記録を22勝に更新。名実ともに記録を築いてきた「ミスターGT300」。