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カーグッズマガジン編集長の「あれコレ気になるカーグッズ」30年物の、純正カセットデッキを愛でる

倉嶋 源2019/12/06

クルマ生活応援マガジン、Car GoodsMagazine(カーグッズマガジン)の倉嶋編集長のコラム。カー用品からアウトドアグッズまで、クルマ生活に関連するあれやこれや気になるカーグッズをピックアップ。今回は愛車に装備されていた、オリジナルの純正カセットデッキを可愛がる、お話です。


自らの成長以上に
ホームオーディオの進化は早かった

目下格闘中の純正カセットデッキ。アナログ式のラジオチューナーだけに、かろうじてワイドFMの周波数も拾えたりして。これはこれで、なかなか。憎めません。

令和のこの時代に来て、カセットテープが脚光を浴びているんだそうですよ。町の若者いわく、入れ替えの手間さえ斬新とか。ちょっと前にレコードの売り上げがCDのそれを上回る見込みと聞き、仰天したところでこのニュースです。オーディオのハイスペック化と共に年齢を重ねてきた身としては、にわかには信じがたい話でもあります。
捨てるよりはと、代替えのお古カセットデッキをおもちゃ代わりに親から与えられたのは、ちょうど物心がつき始めた頃でした。手回しでラジオチューンする昭和の黄昏は、くるくる回すだけで音の変化を楽しむような、子供にとっては確かにおもちゃに過ぎなかったのかもしれません。
しかし、ラジカセブームにウォークマンの台頭と、昭和末期に劇的に進んだホームオーディオの進化は、自らの成長以上に早いものでした。姉から譲られた真っ赤なダブルカセットデッキでひとつランクが上がり、バブルの恩恵を受けた親父の冬のボーナスで、それは真っ黒なシステムコンポに変わるなど、目まぐるしく聴取環境は充実していきました。
スライドバーでさんざんイコライザーをイジリ倒したあと、多感な少年は外に繰り出します。専らのお供は、ウォークマン。ここでもCDがカセットに取って代わり、みるみる薄くなったそれはナップザックでもかさばらず、自宅を一歩出る時はまさに一心同体でした。
よりによって、メタルに傾倒したのが悪かったのかもしれません。もっと言えば、専ら学校へ行かずにバイトを重ねたパチンコ屋のバイトが拍車を掛けたのでしょう。イヤホンからは重低音、バイト先では銀玉ノイズの嵐で、こんな生活もそう長くは続きませんでした。あわれ騒音性難聴の診断がくだされ、青春期の音まみれ生活はいったん終止符が打たれます。

オーディオ人生第二幕は、
愛車を手に入れてからはじまった

元は後付けカセットデッキしかなかった旧車も、後付けの市販オーディオ&ナビでちゃんと現代車に更正させました。

愛車を手に入れてからが、我がオーディオ人生、第二幕です。中古で手に入れた真っ赤なスポーツカーには、彩りが派手なアゼストのデッキが付いていました。時はずんどこウーファー全盛期。しかし、重低音を卒業した若年寄は、表に見えないメカニズムに傾倒します。
羊の皮を被った狼指向で、専ら狙いを定めたのはナカミチでした。いくつものジャンクでお茶を濁した後、ようやく手に入れたのは、1DINに収まる小さなサイズながら、6連奏CDチェンジャーを収納するモデルです。小さな筐体の中でディスクを入れ替える電気仕掛けの魔法が妙に愛らしく思えたものでした。攻めたメカニズムの分、頻繁に故障を繰り返すも、その都度持ち込み修理を繰り返し、一時は生涯を添い遂げようと決意したほどでした。
だからこそMDはスルーしたのです。ただ、一気呵責に押し寄せるデジタル音源の波に抗うのも無理がありました。
それこそ衝撃だったのはiPodの登場です。幼少時から収集したCDコレクションを全て入れてもまだお釣りが来るという大食漢。FMトランスミッターの力を借りこそすれ、CDを入れ替える手間も必要なければ、ウォークマンのようなバッテリー切れの心配もなし。個人記録におけるロングドライブの距離が伸びた理由には、このデジタル音源の恩恵も大きかったに違いありません。
いつしかカーナビも記録ディスクが当たり前になり、SDカードでも、USBメモリでも何でもござれとなった頃からは、個人的にはなし崩しです。専用の音楽メディアはそこにはなく、スマホひとつで全てこと足りて、接続もブルートゥースとなると、凄さを通り過ぎて半ばしらけている自分もいたりして。便利さを極めると、そこには特別さもないのでしょう。スマートさを極めてぐうの音も出ないような。そんな気さえします。
まかり間違って、昭和世代のクラシックカーを手に入れたのはちょうどそんな時分でした。備え付けは、オリジナルの純正カセットデッキ40年もの。ラジオチューンはダイヤルのアナログ式です。この前は、入れたまま出てこなくなったカセットデッキで四苦八苦しました。やれやれと汗をふきふき、ちょっと楽しんでいる自分もいます。

1DIN分のスペースしかない少し旧い輸入車なども、ブルートゥース搭載の1DINオーディオさえ手に入れば、音楽聴取で困ることはあまりないです。

ナビからハードディスクを取り外し、パソコンとつないで収録データをアップデートさせる驚きのメカも、その登場は10年ほど前のこと。今では古くさく感じるほどです。

文・倉嶋 源

カーチューニング誌での丁稚奉公、新車雑誌での下働きを経て、2007年よりカー用品専門月刊誌・カーグッズマガジンの編集長を襲名。雑誌業界歴20年超の大半を通じ、オートアフターマーケット業界に身を捧ぐ。