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カーグッズマガジン編集長の「あれコレ気になるカーグッズ」乗りづらさ、扱いづらさが、
ある意味、男の勲章だった

倉嶋 源2020/01/10

クルマ生活応援マガジン、Car GoodsMagazine(カーグッズマガジン)の倉嶋編集長のコラム。カー用品からアウトドアグッズまで、クルマ生活に関連するあれやこれや気になるカーグッズをピックアップ。今回は古き時代のカスタムカー乗りの男たちの悪戦苦闘な日々と、そしてそこに確実にあった男の浪漫をつづります。


個人的にひとつの完成形は飛行機のコクピットでした

ある意味、雑然としたこのコクピットに憧れて、愛車にもいろんな機器類を付けた方も多くいらっしゃいました。最近ではあまり見ませんけどね。

あまりにデカくないかという感想は、とかく昭和を知ってる旧い世代に共通するものかもしれません。最近の新型車に備え付けの純正大型モニター、みなさんはあれ、どう思います?10型を超えるサイズとなると、もはや一人暮らし用のテレビデオです。4畳半ならぬ、車内でのあのサイズですから、昭和を知る人ほどに違和感もあろうかと。何より、昔見たクルマの未来と大きく違います。タッチパネルも兼ねるデカディスプレイはあまりにスマートに過ぎるような。まるでツルツルの、のっぺらぼう。昭和が夢見た未来は、もっと突起がいっぱいあったはずです。

個人的に、ひとつの完成形は飛行機のコクピットでした。ディスプレイの専用面積は大きくも、それは小分けにされた異なる画面のマルチ表示。パチンパチンとスイッチを跳ね上げ、レバーを引いて最後にプッシュするような、そんな儀式とも言える操作が何より格好よく思えたものです。
実際に、マイカーに同じカスタムを施す同年代の強者を多く見てきました。親の敵のように設置された後付けのトグルスイッチはその大半がダミー。無骨なマイクはアマチュア無線のそれで、メーターやらコントローラーだのが視界を覆うほどに埋め尽くす、それはそれで異世界のような光景です。
シガーライターソケットは増設に続く増設で、さながらタコ足配線と言ったところでしょうか。表舞台も煩雑なら、その裏側はさらなるカオスでした。
電子式ならまだしも、黎明期のアフターパーツは機械式が専らです。ブーストメーターひとつとっても、エンジンルームとつながるのは、コードならぬ圧力ホース。径をつぶさないような配管工事が必要で、ダッシュボード裏のスペースは大幅に場所を食います。

岩のように硬いクラッチペダルや重いハンドル
かつてはそれが特別感であったのだ

コントローラーも、かつては操作方法も各機種でまちまちで、使いこなすには練習が必要なほどでした。複雑極まる操作を繰り返すドライバーを見て、助手席のカノジョはどう思っていたことか。つくづく忙しい人だなーと、冷静に見られていたかもしれません。
この辺は、かつてのファミコン操作と似ていますね。十字キーとエンターキーで操る暗号のような操作は、今にして思えば相当高度です。それを、ターボタイマー、燃調コントローラー、そしてブーストコントローラーと、異なる操作形態を持つ複数機器を同時に扱うのですから、なんともまあ、ご苦労なことです。

ただ裏を返せば、他人では使いこなせない、独自の儀式が愛車を自分だけの特別な存在たらしめていたとも言えるわけで。ワイドタイヤによって自由が利きづらくなった重いハンドル操作も、そして岩のような硬いクラッチペダルも、その特別さに拍車を掛けたとも言えます。
とんでもなく気性の荒い暴れ馬を御して乗ることで男の価値があがったように、乗りづらさ、扱いづらさが神話に拍車を掛けた時代もあったのです。初見ながらもタッチパネル操作をスイスイと操る甥っ子姪っ子のありようを見て、遠い目でそんなことを思ったりもする今日この頃です。

スティックをパチンと跳ね上げ、押し下げてオンオフを切り替えるトグルスイッチは、いまなお後付け部品で現役です。手探りでも操作できるし、利点もあるんです。

かつて、わざわざ専用のメーターを数多く並べることがスタイリッシュと評価される時代もありました。アナログ針への嗜好は、時計趣味と共通する部分もあります。

文・倉嶋 源

カーチューニング誌での丁稚奉公、新車雑誌での下働きを経て、2007年よりカー用品専門月刊誌・カーグッズマガジンの編集長を襲名。雑誌業界歴20年超の大半を通じ、オートアフターマーケット業界に身を捧ぐ。