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GENROQ編集長の永田元輔さんに聞く!
「カー用品店の楽しみ方、付き合い方」
いつでも“あの頃”に戻してくれる場所

永田 元輔2020/03/06

車生活を楽しんでいるさまざまな“達人”に、カー用品店との思い出やふだんどのようにカー用品を楽しみ、付き合っているのかを綴っていただくリレーコラム。第9回目は、「GENROQ」編集長の永田元輔さんにご登場していただきました!


ジェミニZZ-Rで訪れたカー用品店

2000年に購入したポルシェ911(993)。エアコンが壊れているのが目下の悩みで、そのため梅雨時から秋まではほとんど乗れない。直せばよいのだが40万円くらいかかるらしいので、長年放置中

若者のクルマ離れ、なんて言葉を最近よく耳にするが、ボクが免許を取った1980年代は男の子はみんなクルマ好きだった。大学生になって免許を取ったら次はクルマ。家のクルマを乗り回すヤツもいたし、中古車を買うヤツもいた。とにかくクルマがなければみんなで遊びに行くことも買い物も、もちろんデートもできない。そんな良い時代だった。
幼い頃から大のクルマ好きだったボクは、そんな当時の男子の中でも群を抜いてドップリとクルマにハマった毎日を送ることになる。中古でジェミニZZ-Rというマニアックなスポーツセダン(今思えばトラックみたいなクルマだったが)を手に入れると、まず向かったのはカー用品店だ。最初はカーシャンプーやワックスといった洗車用品、次はアクセサリー類。ちょうどドリンクホルダーなる製品が流行り始めた頃で、ドア内張りと窓の間に差し込むタイプ、次はエアコンルーバーに取り付けるタイプなど、友人たちとどれが使いやすいかなどと情報交換をしたりしたものだ。

そして少し運転にも慣れてくると、アルミペダルやナルディのステアリング、レザー巻きのシフトノブなど、走り系のパーツにも手を出し始めるようになる。もちろん装着はできるだけ自分で。そのための工具もカー用品店で少しずつ揃えた。本当は装着もお店にお願いすればより確実に美しく仕上がったのだろうけれど、とにかく自分でやってみたかったのだ。「オイルぱっくり」というオイル処理剤を発見してからはオイル交換も自分でやるようになった。カー用品店の会員ならオイル交換工賃は無料だから却ってお金がかかるのだが、そういう問題ではない。自分でやることに意味があったのだ。

『アルミホイールを買う!』と決意したものの…

あの頃のボクにとって、カー用品店はまるでテーマパーク。店内をうろついていれば何かしら発見があり、欲しいものが見つかった。買えずにあきらめることも多かったが、手ぶらで店を出てもそれはそれで満足だった。まぁ、店から見ればあまりいいお客でなかったことは確かだろう。
そんなボクの最大の不満は、愛車のホイールが鉄チンであったことだ。アルミホイールが欲しいと思ってはいたが、何しろ高価だからいつも売り場を眺めるだけで終わっていた。しかし、ある日いつものようにカー用品店をうろつき、アルミホイール売り場にやってきたボクは突如決心したのだ。アルミホイールを買おう! と。
店員さんに声をかけ、ブランドやサイズを相談する。本当はインチアップしたいけど、そうするとさらに高くなるしタイヤも同時に買わなくてはいけないから純正鉄チンと同サイズで、タイヤはそのまま使って……と妥協しまくりの選択だったが、それでも10万円近くしたと思う。店員さんは丁寧に相談に乗ってくれ、注文書に必要事項を記入していった。
が、商談の途中で急にボクの頭の中に不安の雲が湧いてきた。今ここでこんな大金を使ってしまって本当にいいのか? 貯金がほとんどなくなるぞ! 不安の雲はどんどん大きくなり、クルマ関連以外の「欲しいもの&したいことランキング」が頭の中でグルグルと回り出す。
不安の雲が頭の80%ほどを占居した時、ボクはおずおずと切り出した。
「あの……すみません、やっぱり止めます」
「え? あ、そうですか……わかりました」
ここまできて止めるのかい! 心の中でそう叫んでいただろうけど、店員さんは最後まで優しく対応してくれた。

今でもカー用品店に行きホイール売り場を通る時、ふとあの若かりし日の恥ずかしい出来事を思い出すことがある。さすがにあんな真似はもうしないが、あれこれ商品を見て、買ったり諦めたりしているのはあの頃と同じだ。クルマに触れ、運転しているだけで楽しくてしょうがなかった学生時代。カー用品店はいつでもボクをあの頃の気分にさせてくれる。

文・永田元輔(ながた・げんすけ)

1966年生まれ。物心ついた時からのクルマ好き。某電機メーカーを経て自動車雑誌の編集へと転職。「OPTION」「ニューモデル速報」等を経て現在は「GENROQ」編集長