クルマの楽しみ方みつかる週刊カーライフ

新しい発見がきっとあるカーライフにまつわるコラム集。
毎週更新中!

カテゴリー

シリーズ一覧

  • あれコレ気になる
    カーグッズ
  • カー用品選び方
    指南
  • 365日、
    ドライブ日和
  • カー用品店の楽しみ方、
    付き合い方
  • シリーズ以外の
    コラム
週刊カーライフTOPへ

執筆者一覧

  • カーグッズ
    マガジン編集長
    倉嶋 源
  • レーシング
    ドライバー
    新田 守男
  • カーライフ
    アドバイザー
    鈴木 珠美
  • 様々な分野で
    活躍する
    達人たち
週刊カーライフTOPへ
シリーズ選択
執筆者選択

カーグッズマガジン編集長の「あれコレ気になるカーグッズ」車に傷をつけたときに、
自身の本性を知るのだ。

倉嶋 源2020/06/05

クルマ生活応援マガジン、Car GoodsMagazine(カーグッズマガジン)の倉嶋編集長のコラム。カー用品からアウトドアグッズまで、クルマ生活に関連するあれやこれや気になるカーグッズをピックアップ。今回は編集長がはじめて車に傷をつけた日のことを振り返っていただきました。


破損部位を手で撫で撫で
あの行為は一体なんなのでしょう

ブツけてしまった痕跡は、痛々しくて写真も撮れません。これは、プロに全塗装を依頼した際の作業中の一コマ。イメージです

クルマをブツけた最初の記憶は、まだ自分のクルマを持てない学生時分のものです。姉が買った新車のマーチを我が物顔で占拠していたあの頃。ちょうどタバコも覚え立てで、喫煙と運転というWドキドキを掛け合わせて、夜な夜な昇天していたものでした。
すっかり調子に乗っていたのでしょう。手痛い鉄槌を喰らうように、その時は突然訪れます。何気なく駐車中に、後方からメリメリっと異音が……。状況がよく分からないまま呆然としてクルマを降り、ポールがめり込んだリヤバンパーを目撃したときの、あのキリキリとした心の痛みは、天の戒めのように感じたものでした。
時に、破損は一目瞭然なのに、とりあえず手の平で撫で撫でするのはなぜなんでしょう?イタいの飛んでけ的なおまじないを実践してしまうぐらい、動転していたのだと思います。 どう言い出すべきか分からずに夜もふけ、止むにやまれず、姉の枕元で土下座して謝ったあの日の自分は、間違いなくどうかしていました。身のまわりの整頓ができず、細かいことは気にしない大ざっぱな姉の性格と相容れず、ことあるごとにその性分をこき下ろしていた生意気な弟ながら、こんな窮地ではその鷹揚さに救われたものです。
余談ですが、そんな姉も、なかなか言い出せずにいた結婚の話をする際に、親の枕元に跪いたそうです。どうやら寝込みに切り出す習慣は、我が姉弟の共通項でもあるようで。

人生の教訓

まあそれはさておき。普段は我が物顔で運転していても、ブツけたり擦ったりした時にこそ本性が出るものだと、その後の人生でも直面することになります。
とりわけ、これこそが自分の“地”だと知ったのは、出物のスカイラインを愛でていた在りし日のことです。コンクリで仕切られた狭い駐車場でバックしている最中に、ブロック塀にコツッと当ててしまったのがことの始まりでした。
大事に、大事に労って乗っていた気持ちがそこでぷっつり切れてしまったのかもしれません。慌てて切り返し、前進でさらに衝突。再度バックでここでもゴツン。計3度の衝突を経て、ようやく我に返ったことを覚えています。
一度ならず二度、三度。一度切れるとなし崩し。そういう怖い性分を否が応でも思い知らされた一幕で、これまた人生の教訓になりました。
この時もまた、傷口を撫で撫でしたことをよく覚えています。さすっていると、無いことにできるとでも思っているのでしょうか。我がことながら謎ですが、もちろんいくらさすっても、痛々しい傷口がさらに露わになるだけです。

運転と同じく補修の腕も当てにならない

こんな時、迷うことなくプロの力を借りるのが、今に続く私のやり方。ちょうどこの時は、簡易鈑金サービス「キズナックス」に救われました。「傷、無っくす」とは、なんていい言葉でしょう。ダジャレ的語呂合わせも、弱った心にはハートウォーミングに響きます。
自分がしでかした不始末ぐらい自己補修でどうにかせよと、スパルタ的カーマニアには怒られるかもしれません。それでも若い時分には結構やったのです。それこそ360ccの昭和の軽自動車を2万円で買った時は、缶スプレーで全塗装したこともありました。
途中まではいいのです。しかし一度ミスるとそこでプッツンしてしまうのは、ここも同じですね。破れかぶれの補修塗装ほど、後々後悔するものもありません。
全塗装した軽自動車は、濃い口の緑で塗ったこともあって、周囲からは「ゼロ戦」と呼ばれました。ムラばかりの塗装クオリティが、まるで戦中レベルというわけです。
自分でやってしまったことですからね。その後、しばらくの間は罰ゲーム代わりにそのまま乗りました。運転と同じく、補修の腕もまた当てにならないと痛感するに至った、若い時分の物哀しい一幕でもあります。

前も後ろも傷物にしてしまう前の、在りし日のスカイライン。走行距離も浅く、整備履歴もしっかりしていただけに、虎の子のつもりで大事にしていたのですが…

補修塗装に失敗した実例の代わりにゼロ戦の写真をひとつ。無骨な塗装の感じだけは、確かに似ていました

文・倉嶋 源

カーチューニング誌での丁稚奉公、新車雑誌での下働きを経て、2007年よりカー用品専門月刊誌・カーグッズマガジンの編集長を襲名。雑誌業界歴20年超の大半を通じ、オートアフターマーケット業界に身を捧ぐ。