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愛犬家のための防災
車で避難する、避難できない場合の心得

土屋 みき子2020/12/18

ここ数年、地震や水害などの自然災害が多発。そしてその規模は確実に拡大している。その度にいざというときのための行動や避難場所の確認などが叫ばれるが、あなたは果たして準備万端だろうか? とくに愛犬同伴となると物や場所の確保など、ハードルが高め。慌てることがないよう、この機会に家族全員で確認し、きちんと準備しておきたい。


避難の際の荷物は持てる分だけで

両手が空くように、荷物はリュックに積めるのがおすすめ

予期せぬ災害で避難が必要になった場合、あなたは何を持って避難所に向かうだろうか? 私は東日本大震災を機に、非常袋に必要と思われる物を詰め込んで備えていたのだが、あるとき危機管理の専門家にその中身を尋ねられ、失笑された。ペットボトルの水10本、タオル、毛布、ビニール袋、着替え、エネルギー補給食、卓上ガスコンロ、小鍋、カップ麺など、その量は特大サイズのナイロントート3つ分にもなっていた。

「備える気持ちは大切だけれど、その荷物、一人で持てますか?」
「えっ?」
そう、私は車で移動することしか考えていなかったのだ。しかし専門家の方によると、
「被災状況によっては車が動かせないかもしれないし、動いたとしても駐車できる場所がないかもしれない。だから荷物は一人で持てる分のみを想定する必要がある。ましてや愛犬が一緒ならなおのこと」

愕然とした。あくまでも避難であって、引っ越しではない。そこで避難袋の中身を再点検。歩きの場合の人用は、以前に購入した避難グッズとリュックのセットのみに。ちなみに、避難袋は基本的に3日間生き延びるために必要なグッズは入っていると聞いた。重さはこちらだけでも20Kg。リュック底部にはローラー付きで、障害物のない場所なら転がして移動させられる。

愛犬用の避難袋も準備しておきたい

※執筆者の私物となります。ジェームスでの取り扱いはしておりません。

さて、犬を家族として迎えている方にとって忘れてはいけないのが愛犬用避難袋。最近ではペットグッズショップやネットショップでも販売されているが、最低限必要なものをまとめて準備してみた。

用意した中身はブランケット(防寒&ベッド代わりに利用)、タオル(汚れ拭き取り用&防寒)、オムツ&ペットシーツ(排泄用)、予備の首輪&リード、新聞紙(排泄用&防寒)、1日あるいは1回分ごとに小分けにしたフード、洋服(防寒&汚れ&抜け毛防止)、レインコート、ブラシ&ドライシャンプー(被毛ケアのため&ニオイ防止)。写真にはないが、水飲み&フードボウルはシリコン素材の畳めるタイプを用意した。

とまぁ、こんな感じ。ほかに必要なのは、愛犬の名前と飼い主の連絡先がわかる迷子札や鑑札を、愛犬に常に着用させておくこと。万が一愛犬とはぐれてしまっても、何か手掛かりになるものを身に着けておけば、発見される可能性は高い。実際に被災した友人によると、携帯が繋がりにくくなるため、首輪などに避難場所を書いておくとよいそう。

※執筆者の私物となります。ジェームスでの取り扱いはしておりません。

また愛犬の様子がわかる写真をプリントし、防災リュックの中に入れておくと、なお良いとのこと。携帯電話が使えない可能性も考えて準備しておきたい。

愛犬受け入れOKの避難場所を確認しておこう

常日頃から避難場所を家族全員で把握しておくことが大切だが、愛犬連れの場合は残念ながら受け入れ先が限定される。また受け入れOKとされていても、「同伴避難OK」か「同行避難OK」に2分される。前者の「同伴避難」は愛犬と飼い主が同じ場所で一時的な避難生活を送ることができ、「同行避難」は愛犬を伴って避難所に行くことはできるものの、愛犬は人と同じスペースには立ち入れない。現在この判断は避難場所の管轄責任者に一任されており、場所ごとに異なるほか、「同伴OK」とされていても、実際には軒下であったり、他の避難者からの苦情でNGになったりと、状況によって異なるのが実情。

しかしながら、危機管理専門家によると「その施設に空きスペースがある場合、他の飼い主さんと共に施設の管理者に、愛犬との同伴避難場所を確保して欲しいと訴えるべき」とのこと。もちろん、リードの装着や排泄の処理などはきちんと飼い主さん自身で管理することが前提。そしていざ避難となった場合、まず周囲の状況を確認すること。指定避難所までの道路は走行可能な状態か、駐車スペースがあるかどうかなど。やみくもに車を走らせても、かえって2次災害に巻き込まれたり、身動きの取れない状態になりかねない。周囲の状況に問題がなければ必要最低限の荷物(防災グッズ)と毛布などを積み込み、戸締り(倒壊、損壊していない場合)をして避難先に向かおう。

車がNGだった場合の避難方法

今回使用したスリングは赤ちゃん用の型紙を参考に、自分で作ったもの。最近はいろいろなデザインが売られている。ブーツには前もって防水スプレーをかけておこう

瓦礫や陥没、亀裂などで傷んだ道路を歩いての避難は、容易なことではない。まずはスニーカーなどの脱げにくい靴をはき、必ず両手が空くようにしておくこと。つまり避難袋はリュックやショルダーなどを利用するのが基本。また道路にはガラスの破片やくぎなどの危険物が落ちている可能性があるため、愛犬はケージや専用バッグ、スリングなどに入れて移動させるのが理想。もし自宅が倒壊の危険性が高くなさそうな状態なら、無理に避難場所に移動せず、自宅や敷地内に停車した自家用車に留まって様子を見ることも懸命だ。とくに大型犬やシニア犬、多頭飼いの飼い主さんは冷静に判断を。

あるもので臨機応変に対応を

着の身着のままでの避難に不安は尽きない。それでも現地にあるものを利用して、代用することができるものもある。たとえば愛犬のハウス。軒下待機の場合や、人や他の犬との接触が苦手な場合には落ち着けるハウスが必要。そんなときに役立つのが段ボール箱だ。まずは愛犬が中で体を回転させることができるくらいの段ボール箱を用意。上からごみ袋を1枚かぶせ、余った部分は内側に織り込む。段ボール箱を横にして底にタオルやブランケットを畳んで敷けば、即席ハウスの完成。神経質な愛犬なら、入り口にタオルを垂らして暗くすれば、落ち着ける居場所になるはず。

段ボール箱を横にしてごみ袋を被せ、中にブランケットやタオルを敷くだけ。これならハサミやテープがなくてもOK

雨風を防ぐには、上部のみごみ袋の余剰分を下に下ろせばOK。完全に密閉しないように注意を。またリード&首輪の装着も必須だ

車内で避難の場合は、フラットなスペースを確保

自宅近くで待機したい場合や、愛犬同行OKの避難所では、車内待機というケースがほとんど。この際注意したいのがエコノミークラス症候群(肺静脈血栓塞栓症)だ。同じ座り姿勢を長時間持続することによって血流が滞り、足や下半身などにできた血液のかたまり(血栓)が、血流に乗って肺の血管(肺動脈)につまり、胸の痛み・呼吸困難・循環不全などをきたす病気。これを防ぐには車内をできるだけフラットにしたり、外に出て体操をしたり、散歩したりと体を動かす時間をつくること。シートがフラットにアレンジできない場合は、後部座席の足元に荷物を置くなどして、体を伸ばして眠れるスペースを作ること。

一人の場合は片側のみフラットにし、もう一方は愛犬用スペースと荷物置き場に。私はシュラフを常備している

被災&避難状況は刻一刻と変化するため、手持ちのラジオや避難先のテレビ、掲示板などで近隣の情報を収集し、無理&無駄のない行動をするように心がけたい。また何があってもよいように、車のガソリンは常に少し多め~満タンにしておき、荷物を載せるスペースは必ず確保しておくのがおすすめ。

いずれにせよ、早目の準備と、普段からのシミュレーションが大切になってくる。愛犬との日々のドライブから気が付いたときに防災の内容をアップデートしていくのもいいだろう。

文・土屋みき子

おもに雑誌や書籍を中心に、エディター&ライターとして活動。ファッション、インテリア、犬とのライフスタイル提案を得意とする。趣味はたまのサーフィンとドライブ。アウトドアはシニアでデビュー!

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